2012年11月8日木曜日

目にするものの向こう側

朝7時から3時ごろまでかかって収穫した田村さんのゆず。

コンテナひとつを満杯にすると約18キロ、コンテナの重さも合わせると約20キロあります。

これを畑からトラックまで運びだすのはなかなかの重労働。多い年はこれを700杯、14000キロも収穫するといいます。

今年82歳ではじめて入院したという田村さん。まだ足が悪いためなかなか作業が思ったように進みません…。

奥さんと協力して作業を進めますが、若い力があれば…と思います。同じような問題はこれから各地で次々と表面化していくと思います。

「良いものが低価格でほしい」と誰でも思います。ただその向こう側に広がる世界に思いをはせず、お金さえ払えば手に入るというのは少し傲慢な気がします。

オーガニッククロッシングが取り組んでいるのは、無意識の中にある格差や差別を取り除くこと。

ゆうのたましぼりで木頭のゆずを手にとってもらったなら、それはそのまま木頭のみなさんの暮らしに繋がっています。

この取り組みを初めてからたくさんの方が木頭へ意識を向けてくれました。

今年は若い夫婦が子供さんを連れて山村留学センターの館長さんとして大阪から移住されました。
「温かい地域が希望だったのに、寒い木頭に来てしまいました(笑)」と話しておられました。

今日出会った山梨からきていた大学生は、来年木頭への移住を心に決めているようです。
彼になぜ木頭に決めたの?と訪ねると「ここに暮らす「人」に惹かれました!」と迷わず帰ってきました。今日山梨に帰るという彼と「また木頭で!」と言って別れました。

僕たちが目にしているものの向こう側には、人の暮らしがありたくさんの物語があります。

オーガニッククロッシングは農産物を通してお互いの想いをできるだけ直接伝えることが役目だと思っています。それがお互いの笑顔と未来に繋がっているはず。

11月10日、11日は神戸のマンマルシェでは、今回ご紹介した田村さんやOさんたちのゆずを搾りながら木頭のお話ができたらと思っています。

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