野菜は植物です。
自然界のなかで植物は種を落とし、芽を出し、
育ち、花を咲かせ、枯れて種を落とし、
また次の世代へと命を繋いでいきます。
それはとても自然なこと。
上の写真はブロッコリーです。
実はこのブロッコリーは4月5日に、
京丹後の青木さんから届いたもの。
あれからほぼ2週間、室内に置いてありました。
この姿をなんと表現したらいいのか…。
ブロッコリーは土から離れてなお、
花を咲かせようとしています。
茎は筋張って硬く細くなり、
花は咲いている途中で萎れて変色しています。
その枯れた姿に何故かとても惹かれて
写真におさめました。
収穫された野菜を長期間置いた場合、
腐敗という方向性に進みドロドロになっていく場合と、
枯れるという方向性に進み、写真のブロッコリーのように
ある種の美しさを感じるようになる場合があるように思います。
特に健康状態の良い(肥料バランスの良い)野菜ほど、
枯れる方向性に進むのではないか、と経験上感じています。
考えてみれば人間も同じです。
飽食やバランスの悪い生活を続けていれば
身体の何処かに不調や不具合を抱えてしまいます。
でもバランスの良い生活を続けていれば
年齢相応に「枯れていく」のではないかと思うのです。
枯れるということはけっしてネガティブなものではなく
ある種の美しさを湛えたものなんじゃないかと思います。
人は野菜にもっと大きくとか、もっと甘く、もっと柔らかく、
と何かと人の都合を押し付けてしまいがちです。
でも野菜の目線に立ち、その野菜が本当に健康で
健全であるかどうか、そして自然の摂理に従って
美しく枯れていくことができるかどうかかということを
野菜を育てる人も、届ける人も、食べる人も、
みんなが見守ることができ、そのために協力できるような
世の中になれば素晴らしいと思います。
オーガニッククロッシングの活動は微々たるものですが
その方向に向かって行く一助になれば幸いです。
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