2014年4月17日木曜日

枯れていくために。

野菜は植物です。
自然界のなかで植物は種を落とし、芽を出し、
育ち、花を咲かせ、枯れて種を落とし、
また次の世代へと命を繋いでいきます。
それはとても自然なこと。


上の写真はブロッコリーです。

実はこのブロッコリーは4月5日に、
京丹後の青木さんから届いたもの。
あれからほぼ2週間、室内に置いてありました。

この姿をなんと表現したらいいのか…。
ブロッコリーは土から離れてなお、
花を咲かせようとしています。
茎は筋張って硬く細くなり、
花は咲いている途中で萎れて変色しています。
その枯れた姿に何故かとても惹かれて
写真におさめました。

収穫された野菜を長期間置いた場合、
腐敗という方向性に進みドロドロになっていく場合と、
枯れるという方向性に進み、写真のブロッコリーのように
ある種の美しさを感じるようになる場合があるように思います。
特に健康状態の良い(肥料バランスの良い)野菜ほど、
枯れる方向性に進むのではないか、と経験上感じています。

考えてみれば人間も同じです。
飽食やバランスの悪い生活を続けていれば
身体の何処かに不調や不具合を抱えてしまいます。
でもバランスの良い生活を続けていれば
年齢相応に「枯れていく」のではないかと思うのです。
枯れるということはけっしてネガティブなものではなく
ある種の美しさを湛えたものなんじゃないかと思います。

人は野菜にもっと大きくとか、もっと甘く、もっと柔らかく、
と何かと人の都合を押し付けてしまいがちです。
でも野菜の目線に立ち、その野菜が本当に健康で
健全であるかどうか、そして自然の摂理に従って
美しく枯れていくことができるかどうかかということを
野菜を育てる人も、届ける人も、食べる人も、
みんなが見守ることができ、そのために協力できるような
世の中になれば素晴らしいと思います。

オーガニッククロッシングの活動は微々たるものですが
その方向に向かって行く一助になれば幸いです。

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