4月11日(土)に開催した「たねをいただく会」のリポートです。
この会は普段身近に接しているにも関わらず、意識することの少ない「種」という存在をより身近に感じてみたいと思って企画しています。考えてみればお米も種だし大豆も種です。でも日常的には種だと特に意識して食べているわけではありません。この会では逆に種だということを思い切り意識して食べてみようと思います。
タイトルが「たねをいただく会」ということなのでさまざまな種を食べてみようと思うのですが、ベースは種類が豊富でいまの時期に手に入りやすい「豆」を中心にしています。
日常的に食べる豆といえば白い大豆や赤い小豆など特定のものが中心になってしまいましたが、もともとは各地方にそれぞれの地豆(地域の豆)があったり、さまざまな郷土料理があったりして意識してみるととても面白いんです!長い時間をかけて地域に根付いてきた多様性を意識することは食文化や地方の伝統文化などにもつながっていくと思っています。でも各家庭ではなかなかできないのでイベントにしてみんなでやってみよう!ということです。
前回に続きさまざまな種類の豆を積極的に栽培されている篠山の「めぶき農房」さんの豆を中心にイベント前日に14種類の豆を水につけました。
豆は乾物なので水で戻してあげます。水につけたすぐ後が表面が輝いているように見えて一番綺麗で、本当に宝石のようだなと感じますね。このまま一晩置いてから料理に使うのが基本。この水に一晩つける、という作業が豆調理のハードルを上げているようなのですが、慣れてしまえばそれほど大変な作業でもありませんよ。
ただ一晩水につけると2-2.5倍ぐらいの大きさに膨らんでいるので、水を豆の2倍以上入れておかないと翌朝にはみ出ていたりするので注意が必要です。
イベントでは多種類の豆にいっぺんに火を通すため、セイロで蒸しています。並べたところもとても綺麗ですね。
上の写真のてっぺんの緑色の豆が「サトウイラズ」。そこから右回りで「青大豆」「手亡」「小粒黒大豆」「小粒白大豆」「小糸在来」「小豆4種(白小豆、黒小豆、花嫁小豆、大納言)」真ん中が「紅大豆」。下の写真は白く大きな「白花豆」から右回りで「貝豆」「大正金時」「紅しぼり」「前川金時」「鞍掛豆」「うずら豆」。オガクロが取り扱っている以外の豆は京都の楽天堂さんにお願いしました。
この豆を全部蒸して、他にはなにも手を加えず食べ比べてみます。去年も食べ比べたのですが、普段豆だけをこれだけの種類食べ比べることはほぼないのでとても面白いんです!同じ豆でもこれだけ味が違うのか!と参加者のみなさんも衝撃を受けていました。
(公)日本豆類協会のホームページによると、マメ科の豆は、ササゲ属、インゲン豆属、ソラマメ属、エンドウ属、ヒヨコマメ属、ヒラマメ属、ダイズ属、ラッカセイ属に分かれるようです。そこから各品種に分かれていくんですね。確かにそれぞれの属でかなり食感や味が変わってくることがわかりました。
そしてこちらも恒例、食べ比べた豆を全部入れた豆御飯を炊きます。これが大好評!
ご飯を薪で炊いている間に、なぜこのイベントに興味を持ったのか、自分と種との関わりは?という内容で自己紹介をしていただきました。種をキーワードに幅広い年代、さまざまな職業の方の方々に集まっていただいたので、自己紹介タイムもとても内容の濃いものになりました。
そのあと持ち寄ってきただいた種料理を「いただき」ながらみなさんでわきあいあいと種や農業、料理の話やこれからの日本のことなど幅広く話をしました。ちなみに持ち寄っていただいた種料理では、たかきびの入っただんご風のもの、豆おにぎり、菊芋(種芋ということで)を使った料理や、えごまやゴマを煎ったもの、おはぎなどがありました。あとは小麦も種だよねーということでマフィンも。種料理、幅広いです。
オガクロでは種は休眠状態だけど生きているということを意識してもらうために小豆や大豆を発芽させてから、スパイシーな炒め物や辛子味噌和え、酢の物などにして出しました。
どれもとてもおいしくて、もうみんなお腹いっぱいでフーフー言いながらやっと種の交換会へ(笑)
奈良のオーガニックマーケットの種チームに来ていただいたので、そりゃーもう、覚えられないぐらいたくさんの種を見ることができました。青大豆でもすごく青いものから薄ーい青までありますし、鞍掛豆の薄い黄色のものなど面白かったです。農家さんや家庭菜園をされている方はみなさん持って帰っておられました。種が採れたらまた戻してくださいね。あっ、たねをいただく会でいただく分もよろしくお願いします!(笑)
最後まで残ったメンバーでとどめの珈琲(これも種!)をいただいて無事にたねをいただく会が終了しました。
「なんか、美味しい!っていう記憶しかないねー」と言ってたのは元ウー〇ゴー〇ンの〇〇さん(笑)でも美味しいっていう記憶とともに、みなさんの種に対する見方がすこしでも広がっていればこの会を開催した意味があったかなと思います。
参加していただいたみなさん、関わっていただたいみなさん、ありがとうございました!たねをいただく会は定期的に開催したいと思いますのでお楽しみに。
オーガニッククロッシング 出口
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