毎年、この時期になると訪れている木頭へのゆず収穫の旅ですが、今年は猪名川流域を意識する取り組みを進めていることもあり、まずは木頭を源流域に持つ「那賀川」の河口を訪れることから始まりました。
河口付近の地図を見てみると、まず目に飛び込んできたのが大きな緑地帯と「那賀川出島野鳥公園」の文字。これは行って見なければ!
と、勇んで向かったものの、案内の看板などはまったくなく迷う迷う…。やっとのことで小さな看板を見つけたどり着いたものの、人の気配はほとんどなく…。恐る恐る建物の中を覗くと係の方が1人野鳥を観察しておられました。ホッ。
その方にお話を聞くと、この場所は西日本でも有数の葦原で、毎年たくさんの渡り鳥たちが羽根を休めにやってくるそうです。(地元の方もその存在をほとんど知らないと嘆いておられました)
ただそれも実は少し前までの話で、いまは葦原のほとんどがゴルフ場として開発されてしまい、野鳥公園の関係者の方が反対運動をして葦原の一部だけがかろうじて残っている、という状態になってしまいました。
ゴルフ場の開発以降、渡り鳥たちのルートも変わりはじめているそうです。人の都合で自然の流れを変えてしまうのはダムも同じ。源流域の木頭のダムと河口のゴルフ場開発に共通の問題を感じながら係の方のお話を聞きました。
お話を続けていると、その方も実は木頭村のダム反対運動にも参加されていたことがわかりました!なんという偶然!木頭と川でつながる場所に来て、たまたま出会った方につながっていたことに不思議な縁を感じながら野鳥公園を後にしました。
そしていよいよ那賀川の河口へ!河口は大きな護岸や工場が並んでいるものの、とても綺麗な場所でした。
木頭はゆずで有名になる前は材木の産地。「木頭杉」といえば全国的に知られたブランドです。その杉を山から切り出し、この那賀川の流れを利用して運び出していました。その名残か、河口にはいくつかの製材所が並んでいました。
河口から遠くの山々を望みながら、いまからあそこへ那賀川の源流へ向かうのだ、という意識をもって走りはじめます。
そう意識すると道路地図をなぞるだけはわからないつながりの意識が芽生えてきます。山々や川や、それにともなう地形のすべてが生き生きと立ち上がってきて、なんともいえない高揚感を感じます。
重機などを使った大規模な土木工事が行われる前は、人の暮らしは川とともにあったはずです。そのことを意識しはじめると途中に現れる村の見え方なども違ってくるから不思議です。
途中何度か川から離れるものの、80パーセント以上が川に沿って走る道。地図も確認しながら遡ること2時間、ついに木頭に到着しました。
木頭に着くと一番最初に訪れるのが、荒々しい姿を残している支流のひとつ。人の丈を超えるような岩がゴロゴロと転がっていて、自然の力の凄さと雄大さを感じられる、とっておきの場所です。
ここで湧き水をくんで旅の間の飲み水として使います。この水は本当に美味しい!湧き水が側にある暮らしというのは何よりも豊かかもしれません。
木頭に着く直前に村の方から連絡が入り、翌日の天気が崩れそうだから村に入ったらすぐにゆずを収穫しといた方が良いとアドバイスをいただきました。なので休む暇もなくすぐに収穫作業に入りました。
今年は9月に雨が多かったため、ゆずは大きく果汁も豊富になっています。ただ8月の日照りが影響して、全体としては成りは少ないそうです。それでもこの日のうちに約100キロを収穫することができました。
翌日の朝は予想通り雨。朝の散歩で村を散策。
雨の影響で山々に霧がかかり幻想的な風景が広がります。
川の水はやはりとても綺麗。この水と山の寒暖差の激しい厳しい気候が良いゆずを育んでくれます。
僕が収穫に訪れている村は木頭でも奥の奥。そこで育つゆずは特に品質が良く、味も香りも一段違うと言われています。
背景の緑とゆずの鮮やかな黄色のコントラストがとにかく綺麗。
お昼までがんばって約200キロのゆずを収穫しました!このゆずをもって帰って毎年恒例の「ゆうのたましぼり」をやります!ゆうのたましぼりの詳細はブログの記事やホームページを参照してください。
最後に木頭の美しい風景を何枚か。
木頭の紅葉の名所「高の瀬」の朝は霧に包まれます。
けい兄のゆずの畑はこんなところ。
そして何と言ってもこの川の色!ガラスのように透明な青い川。できる限りたくさんの子供達にこの川の色を見せてあげたい。
今回はゆずの話というよりも川の話になってしまいましたが、ゆず収穫の様子やゆうのたましぼりの様子はブログに再掲載している2015年の記事を読んでみてくださいね(^O^)
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