2017年3月20日月曜日

猪名川町の移住促進のプロモーション映像に補足です。

先日、猪名川町の移住促進のプロモーション映像に家族で出演しました。

この映像の中には私たちが愛してやまない猪名川流域の素晴らしい自然環境が美しい映像で紹介されています。映像の中でも話しているようにこんなに身近に、これほど素晴らしい場所があることをなぜみんな知らないんだろうと思っています。その上ですこし長くなりますが、この移住推進プロモーション映像ではご紹介しきれていない地域の魅力とともに、いま抱えている「学校の統廃合」という問題について少し補足しておきたいと思います。

■移住
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僕たちが豊中市から猪名川町に移住したのは9年前。長男が生まれたことをきっかけに、自然の中でこれからの時代を生きぬくための力を養うとともに、のびのびと暮らせる場所を探していていてたどり着いたのがいまの場所でした。



しかしご縁があったのは庄屋さんのような離れまである大きな古民家・・・。片付けていると130年前!に改築したという記録まででてきました。こんなに歴史のあるお家に住ませていただいても良いのだろうかとすこし気がひけましたが、周りの山々や田畑の素晴らしい風景と堂々とした古民家の美しさに惹かれて心を決めました。

また私自身が野宿旅をすることが好きだったこともあり、火という存在の暖かさと怖さを身近に感じながら暮らすことができる場所、というのも大きな要素でした。

■近い田舎と村の暮らし
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私たちの暮らしている村は大阪市内からでも渋滞さえなければ高速を使わなくても1時間15分ぐらいで着くことができます。阪急電鉄に接続している能勢電鉄の終点の駅からは車で15分。たったそれだけで映像に映っているような心の原風景のような美しい里山が広がっています。都会からこれだけ近い村ですが、その暮らしは都会とは大きく異なっています。



新興住宅地で生まれ育った私たちには村の暮らしは初めてのことばかり。驚くことや慣れないことの連続で失敗もたくさんありましたが、自治会や地域の消防団、御宮の氏子にも加えてもらい、それらの仕事に関わりながらいろいろ教えていただいて暮らしています。村の人たちも「あんたらはなんで便利な都会から、こんな不便な田舎に飛び込んできたのや?」と不思議がりながらも、子どもたちを含めて温かく迎え入れてくれています。

移住する人たちの中には都会の論理をそのまま持ち込もうとする人も多いように感じます。地方の村などはその土地や環境と共に長い歴史を刻んできた場所です。その中で培われてきた文化や考え方はその地域の暮らしそのもの。だからお互いに相手を否定することなく、話合い理解しあう努力は必要不可欠だと感じています。

■猪名川町の南部と北部
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実は猪名川町は南部の駅に近い住宅が密集する地域と、北部の農村が広がる地域に分けることができます。私たちが暮らしているのは北部地域。移住促進プロモーション映像で紹介されていた美しい風景のほとんどが北部地域です。

人口も多く、利便性が高いわりに環境の良い南部地域に魅力を感じる方もおられると思います。ただ北部地域には自然環境はもちろんですが、それ以外にも都会にはない素晴らしさに溢れています。

肌で感じる小規模校の素晴らしさ。
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そのもっと大きな要素が小規模校の素晴らしさです。
2017年現在、猪名川町北部には

「揚津(ようしん)小学校」http://yoshin-es.inagawa.andteacher.jp/
「大島小学校」http://oshima-es.inagawa.andteacher.jp/

 という2つの小学校があり、どちらも全校生徒は60名前後の小規模な学校です。車で15分しか離れていない駅周辺の住宅地の小学校が600名から700名の生徒がいることを考えると極端な少なさです。しかし実際に移住してみて、この小さな学校が都会では考えられないような魅力に溢れていることに驚きました!

小さな学校はすべての子どもたちが顔見知り。そのことで学年を超えた交流が生まれ、年齢を超えて学び合うことができます。1人ひとりの個性や考え方を認め合い、たとえ意見が違っていても仲間外れにするようなこともなく、問題や課題が生まれても、全員で考え、全員で乗り越えていく姿は本当に素晴らしいと感じています。



また北部に1つある「六瀬中学校」http://mutsuse-jh.inagawa.andteacher.jp/ではPTAや地域の方のご協力で、地域にある資源や魅力を最大限に生かしたESDプログラム(ESDEducation for Sustainable Development の略で「持続可能な開発のための教育」と訳されています。)なども実施され、ある意味、全国でも最先端の教育環境が整えられようとしているように感じます。このような取り組みは、今後さまざまな地域で実践されていくはずです。その先駆けとして猪名川町北部地域の学校の取り組みがモデルケースになることも考えられます。

実際に自分の子どもたちを通わせてみて、小さな学校、地域に密着した学校だからこそできることがあるのは間違いありません!そして、移住を検討する方々によっても大きなアドバンテージになるだろうということを確信しています。

ところがいま、これだけ素晴らしいと感じている北部地域の学校が、子どもの減少を理由に、統廃合されるかもしれないという事態が起きているのです。

子どもの学び舎だけではない学校の意義
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「学校」という存在は単に子どもたちのための学び舎というだけではなく、村や地域にとってコミュニュケーションの核となる重要な存在です。もし地域に学校がなくなればPTAだけでなく地域のおじいちゃんやおばあちゃんも含めた大きなコミュ二ティの中心がなくなってしまうことになります。そうなると確実に地域は弱体化していくでしょう。

また移住にとっても「学校」はとても重要な条件です。もし地域に学校がなくなってしまえば、地域に入ってくることを希望する人は激減してしまうはずです。私自身も学校がないとなると移住を希望する方々に心からお勧めすることができません。それは猪名川町の未来のヴィジョンにとって大きな損失だと考えています。



実際に私たちの子どもたちが通う小学校は再来年度から複式学級になる予定です。いまはまだ検討段階だということですが、いずれ統廃合ということになれば、これから猪名川町への移住を考える方々にも大きなマイナス要因になると思うのです。

地域の未来をつなぐ「核」である学校を残したい!
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「地域の学校」というのはこれからの猪名川町の未来のヴィジョンにとって必要不可欠な要素であり、「この地域でしかできないこと」という最先端の取り組みを続けることで、逆に同じ問題を抱える他の地域のモデルになるような取り組みができるのではないかと考えています。またそのことで過疎や少子高齢化という負のスパイラルを乗り越えていくキッカケになると考えます。実際に今回小学校の統合の話から地域が一丸となって村の将来を考え、立ち向かっていく気運が生まれています。

移住推進を掲げ、プロモーション映像まで作ってくれた猪名川町だからこそ、私たち移住者も外の目から見たこの地域の魅力や良さを積極的に行政に伝えていかないといけないと感じています。

また今回のプロモーション映像を見て猪名川町や北部地域の取り組みが気になった方はぜひ役場に問い合わせてみてください。

オーガニッククロッシング
出口晴久

1 件のコメント:

  1. 出口さんファミリーがいい感じで出演されていましたね。帰阪の際は行こう行こうと前からおもとったんですが、これ見てますます出口さんちへ行きたくなりました。こちらの学校は今月で休校となります。しかし、結遊館は再スタートが決まりました。統合先の木頭小学校PTAもGOを出してくれました。

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