2017年3月13日月曜日

流域みそのたね!仕込みの会

3月11日。ついに流域のみそを仕込む日がやって来ました!

この日は震災から6年の節目です。流域のみそをこの日に仕込むということには感慨深いものがあります。その理由についてはあとで書いていきたいと思います。

流域みその仕込みの前に、猪名川源流である大野山へ登りました。


流域みそは、同じ下流域に暮らす人たちと共に上流域で大豆を育て、流域の薪などの資源を使ってみそを仕込むという取り組みです。ですので川の源流から海までのつながりを意識するための様々な試みをしています。その1つが源流を訪れることです。

わろうだのある麓の方ではポカポカ陽気で、絶好のみそ仕込み日和だなぁと思っていたのですが、山頂に登ると寒い寒い!!


遠く篠山の方から黒い雲が雪を伴いながら近づいてくるのがわかります…。車でたった15分ぐらいの距離でここまで気候が違うということをリアルに感じることができます。


けせら畑の松岡くんはちいさな子がいるのでリュックで背負って歩きます。がやっぱりちいさな子にはこの寒さは厳しかったようで途中でリタイア。


残ったメンバーであるはじめますが、山の木々から春の声を聞きに来たつもりが冬に逆戻りした気分(^◇^;)鳥の囀りもほとんど聞こえない…。それでも枝には蕾がたくさんついていて、春は確実に近づいていることを感じます。

風はビュービュー、あられがパラパラ、身体はブルブル震える寒さなのに、子供達は元気いっぱい。


走るし、岩には登るし、歌まで歌うし、さすが子供は風の子ですね。大人はもう帰りたい(笑)


岩陰にあられがつもりはじめたのを見て帰ることを決断(笑)子供達は「えー!もう帰るのー?」とブーブー言ってますが、絶対帰る!

と、決めて山を途中まで降りてくると空からは暖かい陽の光が…(^◇^;)わろうだまで降りて来たらやっぱりポカポカ陽気でした。さっきまでの過酷な天候はなに??このギャップも流域のつながりの中で共有していきたいことのひとつです。


寒さに負けて早々に退散するしてきましたが、転んでも?タダでは起きないとばかりに源流の森で焚き付けようの枝を拾って来ました。なんといっても今日は流域みその仕込みですから!
 

さっそく大豆をためのお湯の火入れ。しかしよく燃えます。流域みそを仕込むための薪は山暮らしをしているSくんが炭焼きをしている能勢や猪名川の流域の山で切り出して来てくれたもの。味噌を仕込むのに必要なエネルギーも流域で時給するのが流域みそのひとつのテーマです。 

流域の里山は最近では利用する人も少なくなり、正直荒れています。今日の朝歩いてきた源流の森も枯れたり倒れたりしている樹が多く、どちらかというと荒廃していっているように感じます。

その原因が何か、ということははっきりとはわかりませんが、流域に暮らす人たちが少しでもこの森のことを意識するようになることで少しでも良い方向に向かうことを期待しています。

さて、つぎは流域みその大豆の準備。2日前から水に浸けていたものを引き上げます。



水を含んだ大豆が光を反射して、まるで宝石のよう!豆を綺麗だと言えることがもても嬉しい瞬間です(*^o^*)

流域みそのたね!と称して6月に両手にひとすくいのタネを蒔きました。味噌は毎年のように仕込んでいますが、種蒔きからはじめてやっとここまでたどり着いたかと思うと、いつもとは違う想いが溢れ出てきます。

今日は3月11日です。震災と原発事故を経験し、その後の世界に生きていく僕たちや子供はたちにとって、この感覚こそがきっと何かを変えていく力になると思うのです。本当に変えていく力は大きなものではなく、日常の暮らしの中のちいさなことの中にあるように思います。

次に麹と塩を合わせる「塩きり」の作業場。


今回は麹も塩もありがとんぼ農園から分けてもらいました。いずれは麹も流域の猪名川や能勢で栽培したものを使いたいと考えています。


みんなで麹と塩をスリスリします。単純な作業ですが、この作業を丁寧に行うことで美味しい味噌になると聞いています。ひとりでやると黙々とやることになりますが、みんなで話しながらならあっという間に終わります。これも共同作業場の良いところ(*^o^*)


塩きり作業をしている間に、流域の薪が大活躍!3時間弱でふっくらとした大豆が蒸しあがりました!


これを味見するのですが、そりぁもう!とんでもなく美味しい!!甘いうまいと食べ過ぎると味噌の量が減るのでほどほどに(笑)たまに一握りくわらい食べる方もおられるので(^◇^;)


蒸し上がった大豆を熱いうちに木のウスと杵で潰していきます。しっかり蒸せていれば10キロの大豆もあっという間にペッタンコ。


みなさん粒が残っていると完璧に潰そうとされますが、ある程度潰れていれば大丈夫。粒々が残っているのも美味しいし、適度に空間がある方が発酵もうまくいくのだそうです。

みそのたねを丸めて容器に投げ入れたら綺麗に整えて…


流域の酒蔵である能勢の秋鹿酒造さんの酒粕で蓋をしてできあがり!


最後にいろいろな想いを込めて「流域」の二文字を書きました。

種蒔きからみそ仕込みまで約9カ月。こうして初めての流域みそを無事仕込むことができました(*^o^*)

これまでも毎年、味噌仕込みはしてきましたが、種から蒔いて育てた味噌だということが、いままでとはかなり違う感覚を自分の中に与えてくれています。そして「この感覚」こそが6年前2011年3月11日の経験したあとの、これからの社会を変えていく力になるのではないかと思うのです。

震災のあと、被災地への食料支援に協力してくれた仲間と立ち上げた「森の集い」。5年前、その活動の最初の冊子に寄稿した「森を想う」という文があります。
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「森を想う」

豊かな森から
水が湧き 川となり
海へそそぎ 雨となって
再び森へ還るという循環のように

森が健やかであれば
里が健やかになる

里が健やかであれば
村が健やかになる

村が健やかであれば
田畑が健やかになる

田畑が健やかであれば
町が健やかになる

そして人と人の繋がりが健やかであれば、明日への希望がうまれる。
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流域の取り組みは、そんな地域を目指すための最初の一歩なのだと思っています。あれから6年かかりましたが、やっと一歩を踏み出せたことをとても嬉しく感じています。

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