2012年5月16日水曜日

距離を超えて繋がる。


今日はある人に会いに篠山へ向かいました。

そのある人というのは、支援で福島市を訪れたときに
「近くに美味しいパン屋さんがあるのよ」と紹介された
天然酵母のパン屋パパゲーナを営業していたHさん。

とても穏やかで、だけど芯の強さを感じさせる話方、
人の話を静かに聞きながら、自分の意見もきちんと
目を見て伝えてくれる、とても魅力的な方です。

震災後すぐに関西へ避難されましたが、
一度福島へ戻りパパゲーナを再オープン。
僕が訪れた9月には、店頭に放射能に関する
情報を並べながら「みなさんの免疫力を高めるために」と
素材や製法にこだわったパンを焼いてがんばっておられました。
そのパンが本当においしかった!


その後、14年間続けてきたお店を11月に閉店し、
3月に篠山市へ移住してこられたと聞き、
今日会いに行ってきました。

Hさんは篠山の市民センターの中にあるCafeを任されていました。
「あ~出口さん!お久しぶりですね~」と笑顔で挨拶をしていただき
なんだかとてもホッとしました。

関西から800キロほど離れた福島県で出会った方が、
自宅から車で30分の篠山に移住してこられて、
こうしてまた笑顔でお話できるなんて、
なんだかご縁の不思議を感じます。
他にも震災支援を通して出会った人たちは
理解を超えるような不思議なご縁がたくさんあって驚きます

Hさんはいま篠山を拠点に 福島の人たちの移住や保養の
ネットワークを創ろうと、さまざまな場所に出向き、伝え、
繋がりを創っおられました。
その真摯な気持ちに心を打たれました。

僕も「森の集い」のお話を伝え、震災への食糧支援が
設立のきっかけになったことや、
森の集いが積極的に協力していく予定の、
福島や近県の子供たちを約1カ月間関西へ招くという、
ゴーゴーワクワクキャンプのお話をさせていただきました。

「福島はいま、みんな何をどうしたらいいのかわからないんです。」

大丈夫だという人、危険だという人、
福島に残る人、移住する人、残らざるをえない人。
マスクをする子供たち、いままでどおり遊ぶ子供たち。
いままでと同じ風景、だけれど以前とはあきらかに違う日々。
なにが正しくて、何が間違っているのか、
この先どういうことが起こって、いま何をするべきなのか、
なんの罪もない人たちが抱えている苦しみ。 

その苦しみを細い身体で受け止めながら
土地勘も人の繋がりもほとんどない関西で、
パズルのピースをひとつひとつはめていくように
ゆっくりと慎重に、でも確実に前を見て歩みを進めているHさんに
できるかぎりの協力をしていくことを約束しました。

今日この日、この場所で会えてよかった!
Hさん、ありがとうございました。
そして今週末はいよいよ森の集いです。


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